電気けいれん療法(ECT:Electro Convulsive Therapy)は1930年代に開発された長い歴史を持つ治療法ですが、近年、治療技術が大幅に改良され、「修正」を意味する“modify”を付け、修正型電気けいれん療法:mECTと言われています。
脳に短時間の電気刺激を行うことで、脳波上にけいれん発作を起こし、脳の機能を改善します。
海外でも、全国的にも高い有効性と安全性が確認されている精神科領域の先進治療ですが、全身麻酔下で行うため、麻酔科医がいない単科精神科病院では、受けることの出来ない治療でもあります。
当院では、2014年9月より施行総数1500回以上(2024年4月現在)mECTを行い、多くの難治性精神疾患の患者様にも高い治療効果をあげています。現在は非常勤の麻酔科医のもとで週1回実施しています(2024年現在)。
うつ病、躁うつ病、統合失調症、パーキンソン病などの疾患が主な適応疾患になりますが、精神的・身体的観点から早急な治療効果が必要な患者様、薬物療法の効果が十分に得られない患者様、副作用が強いため薬物療法が難しい患者様、また身体合併症のため薬が使用しづらい患者様などに、効果や副作用を判定しながらそれぞれの患者様にあわせた適応を検討します。
方法としては、頭の両サイドに電極パットを付け、麻酔で眠っている間に短時間(数十秒)の電気刺激を行います。その他に、身体には心電図や筋電図、脳波モニターを装着し、それをモニタリングしながら、適切な治療効果が得られているかを判定します。
mECT(修正型)の特徴としては、全身麻酔下で行うため、
などが上げられます
当院でのmECTを希望される場合は、主治医による紹介状があること、mECTの適応があること、当院に入院して実施することが条件となります。