三船病院は昭和28年7月1日精神科治療の主たる手段として開放的環境下における作業療法を実践することを目的に開設されました。昭和50年代後半まで作業療法を核とする院内精神科リハビリテーションはその規模とメニューの豊富さで全国的にも際立った存在でした。その後は時代の流れと共に作業療法はその手段を変遷させながら現在に至っています。
一方で、三船病院は昭和50年代前半から地域精神医療に積極的に取り組み、昭和55年には四国で初めてのデイケアを開始し、住居支援活動や就労支援活動など幅広く院外リハビリテーションを展開させてきました。
平成12年には応急入院指定病院としての認可を受け、平成16年からは香川県精神科救急医療システムの輪番病院として、香川県西半分の地域の救急医療を担っています。このように急性期医療から特徴あるリハビリテーションまで精神科におけるあらゆるニーズに応えてきました。
昭和57年にアルコール症専門病棟を設立し、入院外来を通じてアルコール専門医療を実施してきました。昭和63年には老年期認知症専門病棟を設立し、早くから認知症の専門医療を実施し、現在の認知症治療病棟の運営に至っています。平成15年には近代的精神科病棟「南館」を新築し、あらゆる精神科入院治療に対応できるようにしました。
これら外来および入院機能をもつ医療機関である三船病院の関連施設として、昭和63年7月認可の福祉ホームに始まり、グループホーム、援護寮、地域生活支援センターを平成9年までに設立し、これらを統括する三愛会コミュニティケアセンターを運営しています。平成18年10月からは障害者自立支援法に基づく新体系の施設へと移行し、三船病院が積極的に取り組んでいる退院促進活動の受け皿としても機能してきました。それに対応して、三船病院では平成18年から平成26年にかけて大規模なダウンサイジングを敢行し、ベッド数567床から328床にまで縮小しました。三愛会コミュニティケアセンターの規模はさらに大きくなっており、特に就労支援に力を入れています。
平成24年に精神科急性期治療病棟をスタートさせ、急性期医療の質の向上を図っていましたが、平成30年1月にはさらに精神科救急病棟へと移行させ、24時間365日外来患者および入院患者を受け入れています。
平成28年4月から三船病院の大規模建て替え工事が始まり、平成29年11月に3階建ての中央館A、平成31年3月に2階建ての新北館が完成しました。平成15年完成の南館の病棟を補完するもので、認知症病棟と身体合併症病棟を新しくつくり替えるとともに、従来の外来のイメージを変えるような新外来棟をつくり、今後は外来機能をより充実させていきたいと思っています。
また、これら精神科施設とは異なる存在ですが、平成2年県下でも早い時期に老人保健施設「福寿荘」を設立し、現在介護老人保健施設として地域のニーズに応えています。
医療法人社団三愛会 理事長 三船 和史
三船病院 院長 三舩 義博